運動は大切と知っていながらも、体が硬いからヨガ教室に通うのは恥ずかしい、スポーツ・クラブに通う時間がない、マラソンを始めてみたけど長く続かないなど、実際に続けることの難しさを感じている人は多いのではないでしょうか。1日1時間、マットを敷いてみっちりやる、などとは考えずに、1日5分でも10分でもちょっとした合間の時間を使って体を動かす習慣を付けてみてはいかがでしょう。そんなお手伝いをさせて頂く、「かんたんエクササイズ」のコラムです。
今月のテーマ: 腰回りの筋肉を緩める(その2)
ポーズ①
腰回りの筋肉は普段大きく動かすことがなく、特にねじるという動作は意識していないとなかなかしませんよね。ウエストを細くするという外見的な効果だけでなく、内臓マッサージや腰痛予防にもつながります。そして何と言っても気持ちが良いので、ぜひやってみてください。
まず頭の後ろに手を組んで仰向けに寝ます。片方の足を上に上げて、ひざを90度に曲げたら、もう片方の脚の方向にゆっくりと倒していきます。脚につられて上半身もねじれてしまわないように意識しながら、脚を倒せるところまで倒したら、キープしましょう。脚を倒していく時に、手や肩が床から浮かないように気を付けましょう。
ポーズ②
簡単そうに見える動作ですが、勢い良くやってしまうと腰を痛める原因になるので自分の体と相談しながら、少しずつゆっくりとやってみましょう。
まず、ひざ立ちになります。両足のつま先を床に着けたまま、かかとを上に持ち上げます。
次に右の手を左肩の辺りに添え、ゆっくりと左手を左のかかとの方に寄せるイメージで、体をねじっていきます。この時に、お尻が落ちて床の方に向いてしまわないように、腰は前の方向に押し出すように意識してください。深い呼吸を繰り返しながら、ねじりを更に深めていきましょう。
ねじりが十分に深まったら、反対側もやってみましょう。
ポーズ③
エアロビクスなどでも見掛けるねじりの動きですが、こうした対角線の動きは、体の歪みの改善にもつながります。
慣れるまでバランスが取りにくい人もいらっしゃると思いますので、初めはゆっくり様子を見ながらやってみてください。
まず、真っすぐ立って左足を後ろに引きます。
そして、右手は写真のように肘を横に張った状態で、後ろに少し引くようにします。
次に肘とひざをくっつけるようにしっかりと引き寄せます。これを何度か繰り返します。脚と手を変えて、反対側でも同じ回数をやってみましょう。肘とひざを引き寄せる時に背筋が曲がらないように意識してください。
ポーズ④
この運動は腰回りの筋肉を引き延ばすことによって筋肉を緩める動きになります。
見た目より結構きついですが、筋肉がしっかり緩むので腰回りに爽快感を感じられると思います。
まず、いすに浅く腰を掛けます。足は腰幅より広めに開き、しっかり安定させます。
次に頭の上に腕を持っていき、両手で互いの肘をつかみます。そして、ゆっくりと上半身を前に倒していきます。
肘からお尻までのラインが一直線になるイメージで、体を40度ほど前に倒したら、そのままの体勢をキープして呼吸を繰り返しましょう。
頭と腕が前に倒れすぎないように意識してやってみてください。
−− エクササイズにまつわるお話 −−
体を緩める重要性
先月に引き続き、今回のテーマは「緩める」ですが、これを最近の自分の中のテーマにしています。
以前は、腰痛になった人などに「腹筋や背筋を鍛えないと!」というアドバイスをしていたような気がします。自分もダンサーだった時に腰を痛め、「腹筋ばかりやって背筋が弱いんだ」と思い、筋トレに励んでいたことがありました……。しかし、あるセラピストの本を読んで、「ああそうか!やっぱり緩めることが一番重要なんだ」と感じました。痛みが出る原因は、主にその周辺もしくは、そこにつながる筋肉などが固まってしまっていることです。緩めることを怠って、いきなり腹筋や背筋を鍛える筋トレをしても逆効果です。かえってその原因となる筋肉を硬くしてしまうのです。
凝り固まっているところを強くグイグイ押すマッサージなども、その場では効いたような気がしますし、少し楽になりますが、結局は気が付くと体は戻っています。それどころか、強く押されることで筋肉が更に緊張し、前よりも硬くなってしまうということも起こりうるのです。
ですから、自分の体に痛みや不調を感じた時は、まずはとにかく緩める。筋肉が緩まるように体を動かしてみてください。それを繰り返すことで、徐々に体が変わってくるかと思います。
体に痛みや不調があると、気分も何となく落ち込みがちです。体を緩めてあげることで自律神経も整い、心身共に最高のパフォーマンスをすることができます。
まずは体の不調に気付き、そして緩める。体の改善がハッピーにつながっていきますよ。いつも自分の体との対話を忘れずに!
ASUKA
ジャズ・ダンサーとして約15年間活動後、より深く自分の体を知るためヨガを始める。全米ヨガ・アライアンスを取得後、2009年より東京で多くのヨガ・クラスを担当。現在は、シドニー市内で不定期にクラスを開催。シンギングボールを使ったサウンド・セラピーも行う(Web: earth-light-yoga.com)。また、eco蜜蝋ラップ「KoKeBee(こけびー)」を経営するなど、エコ活動にも力を入れている(Web: www.kokebee.com)