2月の最終日曜日、日陰はまだ寒さを感じるが、日向では風さえなければ春の訪れを感じる日差しの東京・秩父宮ラグビー場で行われた、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)vs NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)のゲームに出掛けた。
お目当ては、相模原DBのマット・トゥームア選手と、GR東葛のニック・フィップス選手の元ワラビーズの10番・9番対決だ。
この試合は、フィップス選手のプレーが光っていた。鋭いタックルを決めるなど個人技での強さを見せると共に、運動量の豊富さ、技術力の高さを見せていた。
一方の相模原DBのトゥームア選手はリザーブ出場。存在感を見せてはいたが、調子は今一つのようだった。試合は一進一退の攻防で、同点で迎えた終了間際に、GR東葛がトライを奪い、逆転勝利を収めた。
試合後、多くの記者に囲まれたフィップス選手は終始、笑顔でインタビューに答えていた。トゥームア選手も声を掛けると、笑顔を見せてくれた。
リーグワン2022/23シーズンは4月23日に終了。相模原DBは4勝1分11敗でDivision 1(以下、D1)の10位、GR東葛は3勝13敗で11位という結果となり、Division 2(以下、D2)の上位2位、3位チームとの入替戦となった。
相模原DBは、D2を3位通過したシャトルズ愛知と対戦。59−21、43−14と2戦続けて圧勝。D1残留を決めた。一方のGR東葛は、D2の2位、トム・バンクス選手を擁する三重ホンダヒートと対戦。29−34、12−13と僅差ながら2連敗。来季はD2での戦いとなる。
また、リーグ・ワン2022/23シーズンのプレーオフ・トーナメントを制したのは、バーナード・フォーリー選手が所属するクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。埼玉ワイルドナイツとのハイレベルな試合を17−15と制して初優勝を飾った。
オーストラリア出身選手の活躍が目立つシーズンだった。
このコラムの著者
山田美千子
ラグビーに魅せられおよそ20年。「強い時も弱い時も、ナンバー・ワンはいつでもワラビーズ!」と、自他共に認めるワラビーズ・オタク。歴代の愛犬の名前はワラビーズ選手が由来。得意なことは、ワラビーズの次世代エースを見つけること。苦手なことは、写真を撮られること