6月から社長も兼任
オーストラリアの大手百貨店チェーン「マイヤー」を運営するマイヤー・ホールディングスは14日、元カンタス航空幹部のオリビア・ワース氏を同日付で取締役会長に任命したと発表した。6月4日からは最高経営責任者(CEO)も兼任させる。
マイヤーは国内全6州と2準州に56店舗を展開し、同業「デービッド・ジョーンズ」とともにオーストラリアの百貨店業界を寡占する老舗として知られる。だが、近年は百貨店業界全体がネット通販に押されて精彩に欠き、2013年と14年にはライバルのデービッド・ジョーンズに合併を持ちかけたが実現しなかった。
2023年度(23年7月29日までの52週間)の売上高は33億6,290万豪ドル(約3,290億円=前年度比12.5%増)あった。しかし、純利益は7,110億豪ドル(18.2%増)にとどまり、売上高に対してほとんど儲かっていない。
ワース氏はオーストラリア政府観光局などを経て、2010年にカンタス航空に入り要職を歴任した。18年からフリークエント・フライヤー・プログラム(マイレージ・サービス)部門の最高経営責任者(CEO)を務め、次期社長の有力候補の1人と見られていた。しかし、昨年9月に退いたアラン・ジョイス前CEOの後任には、バネッサ・ハドソン最高執行責任者(COO)が昇格。ワース氏はカンタスを離れ、昨年10月にマイヤーの社外取締役に転じていた。
ワース氏は声明で「目下の優先課題は、ワールドクラスの品揃えと同業で一番のサービスによって、お客様に最高のお買い物体験を提供するとともに、ネット通販に投資し、お客様、サプライヤーとの信頼とパートナーショップを高めていくことです」と抱負を述べた。
■ソース
BOARD AND MANAGEMENT CHANGES(MYER ASX ANNOUNCEMENT)