警官が容疑者の男を銃殺 「テロ目的ではないと見られる」と警視総監
オーストラリアの中心都市シドニーの東部郊外、ボンダイ・ジャンクションにある商業施設で13日午後、買物客らが次々と刃物で刺される事件があった。ニューサウスウェールズ州警察の発表によると、同日夜までに女性5人、男性1人の合計6人が死亡し、8人が負傷した。容疑者の男1人は現場で警官に銃殺された。
負傷者には9カ月の幼児も含まれており、強い殺意と残忍性がうかがえるが、州警察は「現時点では、テロ目的ではないと見られる」としている。犯行動機は不明だが、無差別な通り魔事件である可能性もある。
州警察は同日午後、犯行は単独犯によるもので「地域社会に継続的な危険はない」と述べ、現場周辺の安全が確保されたとの認識を示した。
容疑者は「警察が知る人物」
事件発生は同日午後3時30分ごろ。複数の人が刺されたとの緊急通報を受け、警官隊がショッピング・モール大手「ウェストフィールド」のボンダイ・ジャンクション店に駆けつけたところ、東部郊外司令部所属の女性警官が単独で、刃物を持った容疑者の男と遭遇した。男が立ち向かってきたため、警官は男に向けて拳銃を発砲。蘇生措置が施されたが、男はその場で死亡した。
州警察トップのカレン・ウェブ警視総監が午後8時30分から最寄りのウェイバリー署で行った会見によると、容疑者の男は40歳で「警察が知っていた人物」だった。容疑者や犠牲者の氏名は公表していない。
学校の秋休みが始まった土曜日の午後、現場は週末の買い物客で混雑していた。事件に遭遇した人が、容疑者の男が大型の刃物を持ってショッピング・センター内を歩いていたり、通行人の男性がエスカレーターで長い棒状の物で男を制止したりしている動画を撮影していて、現地メディアが放映している。事件発生当時の緊迫した状況がうかがえる。
現場のボンダイ・ジャンクションは、シドニー市内中心部から東へ約6キロに位置する東部郊外の中心地。日本人の在住者も多く、世界的に有名な観光地のボンダイ・ビーチにも近い。州警察は規制線を張って現場周辺を封鎖しており、同ショッピング・センターは14日以降、数日間休業となる見通し。
■ソース