「普段使いは菜種油。ココナツ油は少量で揚げ焼きに最適。ゴマ油はヒマワリ油に混ぜてドレッシングにすると風味が増す」と専門家
普段使いの食用油として、オーストラリアの食卓で幅広く使われているオリーブオイル。サラダのドレッシング、炒め物、焼き物、揚げ物など万能だが、このところ価格が急上昇している。大手スーパーのウールワースやコールズが販売しているエクストラ・バージン・オリーブオイルの輸入品は、おおむね1リットル当たり25豪ドル(約2,590円)以上の値札が付いていて、手を出しにくくなっている。
公共放送ABC(電子版)によると、オーストラリアはオリーブオイル消費量の約半分を世界最大の生産国であるスペインから輸入している。ところが、スペインではここ数年の干ばつの影響でオリーブの収穫が減少。スペイン産エキストラ・バージン・オリーブオイルの価格は、昨年1年間だけで71%上昇しているという。
普段使い用の食用油として手ごろな代替品はないのか? タスマニア州在住の有名シェフ、カーステン・ベーコンさんは、ABCに次のような食用油を紹介している(価格の安い順)。ウクライナ戦争による穀物高騰の影響で近年、食用油全体の価格が上昇しているものの、オリーブオイルに比べると手ごろ感はある。用途に応じて使い分ければ節約でき、工夫次第で和食にも応用が効きそうだ。
◇植物油 Vegetable Oil
主な用途:揚げ物 平均小売価格:1リットル当たり5.3豪ドル
最も低価格というメリットはあるが、おすすめはできないという。「オーストラリアでは、ベジタルブル・オイルの原材料が表示されていません。(健康や環境への悪影響が指摘されている)パーム油ではないのは良いことですが、何が入っているか分かりません」とベーコンさん。スーパーで販売されている一般的なベジタルブル・オイルは、大豆油かコーン油、またはその両方を混ぜたものが多いという。
◇菜種油 Canola Oil
主な用途:調理一般 平均小売価格:1リットル当たり5.6豪ドル
アブラナ(菜の花)の種から抽出した油。炒め物などあらゆる調理に使え、コスパが高い。「毎日使える料理油。質を落とさずに食費を抑えることができます」(ベーコンさん)
◇ヒマワリ油 Sunflower Oil
主な用途:ドレッシング、揚げ物 平均小売価格:1リットル当たり6.5豪ドル
ヒマワリの種から抽出。オリーブオイルの代わりにフレンチ・ドレッシングに入れたり、揚げ物に使ったりと用途は広い。「シュニッツェル(肉に衣とパン粉を付けて揚げた料理)を揚げるのにヒマワリ油を使うことができます。ほんの少しだけココナツ油とゴマ油を追加すると香りが豊かに変化しますよ」(ベーコンさん)
◇ココナツ油 Coconut Oil
主な用途:揚げ物、調理一般 平均小売価格:1リットル当たり12豪ドル
ココナツ油は液体または固まった形で販売されている。「ココナツ油はどんなものを揚げてもおいしいですが、オリーブオイルのようにたくさん使わなくてもいいので、シャロー・フライ(油を少量で済ませる『揚げ焼き』)に最適なんです」(ベーコンさん)
◇ゴマ油 Sesame Oil
主な用途:ドレッシング 平均小売価格:1リットル当たり20〜30豪ドル
中華や和食でもお馴染みのゴマ油。オーストラリアのスーパーでも普通に手に入るが、単価が高いため、家庭ではヒマワリ油に少し混ぜてドレッシングに使うと「風味がぐっと増すのでおすすめ」だという。
■ソース
Alternatives to olive oil you can use in your cooking amid skyrocketing prices(ABC News)