オーストラリア労働党の「キングメーカー」、ショーテン氏は関与否定
オーストラリア連邦労働党政権の「重鎮」として知られるビル・ショーテン全国障がい者保険制度(NDIS)相・兼政府サービス相のスピーチライターが、2年間で60万豪ドル(約6,200万円)の給与をもらっていたことがこのほど、明らかになった。国が異例の高額報酬を支払っていたことに対しては野党などから批判が出ているが、ショーテン氏は3日、自身の関与を全面否定した。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
民放テレビに出演したショーテン氏は「そもそもスピーチライターを雇ったのは、サービシズ・オーストラリア(各種手当、子育てや高齢者への支援などを行う政府サービス省所管の行政機関)であると認識している。報酬について私はまったく知らない」と述べた。その上で、同氏は「(問題を)私と結びつけたいのなら、好きにすればいい」と野党の追及を切り捨てた。
また、同僚のクリス・ボウエン連邦気候変動・エネルギー相は4日朝のABCラジオで「省庁は様々なコミュニケーション担当スタッフを抱えており、大臣のスピーチだけではなくより多くの仕事に関わっている」とショーテン氏を養護。採用の是非と報酬は、労働市場の競争に委ねられているとの認識を示した。
ショーテン氏は1967年生まれの57歳。労組委員長から政界入りした経歴は、労働党のサラブレッドとされる。野党時代の2013年に労働党党首に就任したが、勝利が確実視された19年連邦選挙で想定外の敗北を喫し、首相の座を逃した。22年に発足したアルバニージー首相の現労働党政権でNDIS相として入閣。政権の重鎮やキングメーカーと評され、虎視眈々と捲土重来を狙っている可能性がある。
■ソース
Bill Shorten denies any involvement in speechwriter’s $300k payday(ABC News)