オーストラリアのスーパー価格調査
30年ぶりの急激なインフレに見舞われ、家賃や光熱費などの固定費が上昇しているオーストラリアでは、毎週のスーパーでの買い物をいかに安く済ませるかが生活防衛のカギを握る。消費者団体「チョイス」が主なスーパーの価格を調査したところ、「コールズ」、「ウールワース」の地場の大手2社と比べて、ドイツ系「アルディ」が大幅に安いことが明らかになった。
チョイスは3月、全国にあるウールワース27店、コールズ27店、アルディ23店、IGA4店の合計81店舗に覆面調査員を派遣。食パンや牛乳、チーズ、牛ひき肉、リンゴ、砂糖、ティーバッグなど生活必需品14品目の価格を調べた。その結果、合計価格(平均)は、コールズが69.33豪ドル(7,323円)、ウールワースが68.58豪ドルとほとんど同じだった。
一方、アルディは51.51豪ドルと大手2社とくらべて約25%安く、約17ドル浮くという結果が出た。毎週1回スーパーに買い物に行くと仮定した場合、年間で900豪ドル近く節約できる計算になる。
チョイスによると、2023年のスーパー業界のシェアは1位ウールワースが37%、2位コールズが28%と上位2社で全体の約3分の2を占める。アルディは日本では馴染がないものの、欧州では大手の一角を占める巨大チェーンだが、オーストラリア進出は01年と後発でシェアはまだ10%。卸売大手メットキャッシュが運営するIGAは郊外や地方を中心に小規模な店舗が多く、7%にとどまっている。
大手2社の寡占状態が自由な競争を歪めている可能性がある。供給業者への不当な値下げ圧力や、インフレ便乗値上げなどが批判を浴びている。2社は議会でも追及を受け、世間の風当たりが強まっている。
■ソース
Which supermarket has the cheapest groceries?(CHOICE)