連邦政府、「行動規範」厳格に 違反企業に巨額の罰金
オーストラリアのスーパーマーケット業界を寡占する大手数社が、インフレに便乗して不当に価格を吊り上げているとされる問題で、連邦政府は「食品・日用品行動規範」を厳格化し、罰則を強化する。生活コスト高騰に困っている家庭や、大手スーパーによる買い叩きにあえぐ農業生産者を支援する。
ジム・チャーマーズ連邦財務相とマレー・ワット連邦農林水産相らが24日、明らかにした。財務相らは共同声明で「自由な競争に反する食品・日用品小売業界の行動を厳重に取り締まる」と強調した。生活コスト高騰を和らげる政策の一環として、巨額の罰金導入などを柱とした独立調査委員会の勧告を全面的に受け入れた。主な施策は次の通り。
・年間売上高が50億豪ドル以上のスーパーについて、これまで任意だった行動規範に法的強制力を持たせる。
・紛争調停の強化。
・規範に違反した企業に対して、◇1,000万豪ドル、◇違反行為によって得られた利益の3倍、◇過去12カ月間の売上高の10%、のうち最も多い金額の罰金支払いを命じる。
・オーストラリア競争消費者委員会(ACCC)に、匿名のサプライヤーや内部告発者が不正を通報できる仕組みを設ける。
・生鮮食料品のサプライヤーの収益向上。
これらの施策を実現するには、連邦競争消費者法の改正が必要。労働党政権は早期の改正法案成立を目指す。
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