突然の運行停止から2カ月 未払い賃金の請求可能に
飛ばせる機体が1機もない航空会社の再建に、手を挙げる投資家はいなかった。経営破たんしたオーストラリアの格安航空会社(LCA)ボンザの債権者集会が2日、開かれ、債権者による投票で同社の精算が決まった。地元メディアが報じている。
ボンザは4月30日に突然運航を停止して経営破たん。リースで運航していた5機は、海外の資産管理会社が没収した。外部の管財人の下で任意管理の手続きを進めながら、買い手を探していた。
運輸労働者組合(TWU)によると、職を失った従業員は約500人、推定1,080万豪ドル(約11億6,000万円)の賃金が未払いになっているという。会社の精算が決まったことで、元従業員はオーストラリア政府が未払い賃金を肩代わりする制度を利用できる。
TWUのマイケル・ケイン書記長は「ボンザが最終的に倒産したことは、オーストラリアの航空業界にとって悲しい出来事だ」と述べた上で、未払い賃金を政府に請求できるようになったことは朗報だとの認識を示した。
ボンザは、ヴァージン・オーストラリアの元幹部らが米投資会社「777パートナーズ」の資金提供を受けて創業。北東部クイーンズランド州のサンシャイン・コースト空港をハブ(拠点)に、2023年1月に第1便を就航させた。カンタスなどの大手が飛ばないニッチな地方路線に特化する戦略だったが、わずか1年3カ月で資金繰りが悪化し、運航停止に追い込まれた。
■ソース
Bonza officially collapses after creditors approve airline liquidation(9 NEWS)
Bonza liquidation provides ‘bittersweet news’ for airline’s staff(ABC News)