10年で少なくとも2,100億円
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は4日、トップシークレットの機密情報をクラウドで管理するサービスで米情報技術(IT)大手アマゾンと提携したと発表した。オーストラリア政府は今後10年間で少なくとも20億豪ドル(約2,100億円)の予算を投じる。データセンターの建設やサイバーセキュリティー、データ解析などの分野で最大2,000人の雇用を創出するとしている。
海外の通信傍受などを行うシギント機関「オーストラリア通信諜報局」(ASD)が、ネットワーク経由で情報処理やデータ管理を行うクラウドコンピューティング大手「アマゾン・ウェブ・サービス」(AWS)の「トップシークレット(TS)クラウド」を利用する。
軍事や安保に関する大量の国家機密情報を安全に保管し、人工知能(AI)や機械学習などの最先端技術を駆使して高速処理できるようにする。オーストラリア国防軍の通信網を強化して作戦能力を高めるとともに、米軍との相互運用性や共同作戦能力も向上させるとしている。
公共放送ABC(電子版)によると、具体的には国内3カ所に秘密のデータセンターを建設し、2027年までに稼働を開始するという。AWSの現地法人が施設の運用を行う。
アルバニージー首相は「我が国の諜報機関が日々、オーストラリアの安全を守るために尽力していることを誇りに思っている。彼ら・彼女らの役割は非常に重要だ。今日発表した(TSクラウドへの)投資はそのためのものだ」と強調した。
また、国際公共部門の責任者を務めるAWSのデイブ・レビー副社長は「AWSはオーストラリア政府と戦略的パートナーシップを開始することに心を踊らせている。オーストラリアが国防力を高め、国民を守ることができるように、私たちの独創的で効率性の高いクラウドサービスを提供する」と述べた。
■ソース
Amazon wins contract to store ‘top secret’ Australian military intelligence(ABC News)