アップル・インテリジェンスの日本語実装は来年から
米アップルが10日(オーストラリア時間)発表した新型「iPhone 16」シリーズ。デザインは先代の「15」と「15 Pro」を踏襲し、変更点は◇カメラをコントロールしたり便利な機能にアクセスしたりするボタンの新設、◇ベースモデルのカメラ配置を上下に変更、◇上級モデルの画面サイズを若干拡大、など小幅にとどまる。
性能面では、心臓部のチップを最新鋭の「A18」(ベースモデル)、「A18 Pro」(上級モデル)に刷新し、カメラ機能を強化、バッテリー駆動時間を伸ばすなど大幅に向上している。ただ、よほどのコアなマニアでもない限り、一般ユーザーにはハード面の刷新感が目に見えにくい。スマホ市場をけん引してきたアップルだが、初代iPhoneの発表(2007年)から17年が経ち、技術の成熟化を背景に違いを打ち出しにくくなっている。
一方、ソフトウエアの面では、ベースモデル、上級モデルともに生成AI機能「アップル・インテリジェンス」を実装。新しい方向性を打ち出してきた。AIスマホは、韓国サムスンや米グーグルなどアンドロイド陣営のライバルも実用化しており、競争が激しくなっている。アップル・インテリジェンスでは、メールなどで文章を書く際、修正や校正、要約が可能になり、音声の録音や書き起こし、要約もしてくれるという。このほか、従来からある音声によるバーチャルアシスタント機能「Siri」(シリ)との意思疎通も「より自然な文脈に即したもの」(アップル公式サイト)になるとしている。
アップル・インテリジェンスは、10月の無料ソフトウエアアップデートから利用可能となる予定。ただし、初期機能は英語(米国英語)のみで提供され、日本語対応は来年(次期は未発表)にずれ込む。
ガジェットに詳しい在豪ライターは次のように話している。
「アップルが今回オーストラリア市場で値下げに踏み切ったことは注目に値する。チップの処理能力やカメラなど基本性能は、一昔前のモデルと比べると格段に進化している。ただ、そこまでハイスペックなモデルを使いこなせる一般ユーザーがどれだけいるのだろう。時速350キロのスーパーカーを一般道で走らせても、性能をフルに発揮できないのと同じ。ここ数年、見た目はほとんど変わっていないし、今持っているiPhoneで十分ではないか」
注目のAI機能アップルインテリジェンスはどうなのか?
「日本語対応は来年まで待たないといけない。生成AIと言えば、ビジネスの世界では時短や生産性向上に役立つとされているが、日常生活での本格普及はまだこれから。アップルのAIが日本語で実際どの程度使えるのか。既存のSiriより賢くなっているのか。その辺りの評価を見定めてから購入を検討しても、遅くはないだろう」
■ソース
Apple Intelligence comes to iPhone, iPad, and Mac starting next month(Apple Newsroom)