トランプ氏と初の電話会談 「いっしょに仕事をしていくことを楽しみにしている」
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は7日、自身の短文投稿サイトX(旧ツイッター)を更新し、6日の米大統領選で再選を決めたドナルド・トランプ氏に電話で祝意を伝えたことを明らかにした。
アルバニージー首相は「今朝、トランプ大統領(原文ママ)と話すことができて良かった。選挙の勝利について個人的にお祝いを申し上げた。私たちは(豪米)同盟の重要性、安全保障分野での力強い豪米関係、オーカス(AUKUS=オーストラリアへの通常兵器搭載型原子力潜水艦の導入を柱とした米英豪3カ国の安保枠組み)、貿易、投資について話し合った」ことを明らかにした。その上で首相は「(豪米)両国の利益のために(トランプ氏)といっしょに仕事をしていくことを楽しみにしている」と述べた。
トランプ氏のツイッター政治批判
公共放送ABC(電子版)によると、アルバニージー氏は野党議員時代の2017年、1期目の大統領に就いたトランプ氏を批判した過去がある。アルバニージー氏は音楽フェスでの映像でトランプ氏について「恐怖している。(汚い罵りの言葉を使って)クソ恐ろしい。自由主義世界のリーダーが、一晩のうちにツイッター(現X)の140文字で政治を行うというのは問題だ」と話していた。
トランプ氏は当時、会見や公式発表ではなくツイッターで政策やコメントを連発して世間を賑わせていた。アルバニージー氏は同じ政治家として、そうした「ツイッター政治」を皮肉っていた。リベラル派のアルバニージー氏と保守派のトランプ氏では政治信条も異なる。
この過去のコメントについて聞かれたアルバニージー首相は7日、「私は世界の指導者たちと渡り合うことができ、関係を構築できる能力を示してきたと思う。それは前向きなことだ」とかわし、トランプ氏に謝罪する気がないことを明らかにした。
元首相はコメントひっそり削除
トランプ氏をめぐっては、現在駐米大使を務めるケビン・ラッド元首相(労働党)も2020年、「歴史上、最も破壊的な大統領だ」などと批判。トランプ氏がこれに反発した経緯がある。
ラッド大使は6日、トランプ氏に「オーストラリアは、今後数年間私たち民主主義陣営の2国と世界が直面する課題とチャンスについて、トランプ大統領(原文ママ)とその政権とともに協働していくことを楽しみにしている」と祝福のメッセージを送った。しかし、自身のウェブサイトから過去の批判的なコメントをひっそりと削除していたことが明るみに出ている。
■ソース
Australia PM Albanese speaks to Trump as ambassador deletes comments after election win(Reuters)