スト解決の見通しは立たず
オーストラリアの公共放送ABC(電子版)によると、スーパー大手「ウールワース」の配送センター従業員のストをめぐり、国の労使調停機関「公正労働委員会」(FWC)は6日、会社側の主張を認め、労組「ユナイテッド・ワーカーズ・ユニオン」が誠意を持って労使交渉に臨んでいないとの裁定を下した。
労組側は、出勤を希望する従業員らが入場できないように、南部ビクトリア州にある配送センターの入口を封鎖する実力行使を続けている。会社側は封鎖を解除させるよう同委員会に仲裁を申し入れていた。
ただ、ABCによるとFWCは現時点で労組に対し、封鎖解除を命令しているわけではない。FWCと会社側の法務部門が現在、命令の具体案について協議中だという。封鎖が解除されるかどうかは不透明で、根本的なスト解決の見通しは立っていない。
労働法の専門家がABCに述べたところによると、今回のスト自体は法律が認めた労働者の合法的な権利だという。配送センターの封鎖についても、組合員が敷地外の公共空間で抗議する限り、違法性はないとの見方を示している。
従業員約1,500人が参加する労働争議は3週間目に入り、ビクトリア州や東部ニューサウスウェールズ州南部、首都特別地域(ACT)のウールワース店舗で食品や日用品が品不足になるなど混乱が広がっている。ウールワース傘下の物流企業を利用している酒販大手「ダン・マーフィーズ」や同「BWS」の一部店舗でも、酒類の在庫が不足しているという。
■ソース
Fair Work Commission finds union unfairly negotiating with Woolworths as strikes continue(ABC News)