タカ派的スタンス和らげるかが焦点
サプライズのクリスマス・プレゼントとなる利下げはあるのか? 中央銀行の豪準備銀(RBA)は10日、年内最後の会合の結果を発表するが、現行4.35%の政策金利を9会合連続で据え置く可能性が高い。市場参加者のコンセンサスをもとに、米投資情報サイト「インベスティング・ドット・コム」が伝えている。
オーストラリア経済の成長は想定よりもスローダウンしている。4日発表の6-9月期国内総生産(GDP)成長率は前期比0.3%増、前年同期比0.8%増といずれも市場予測から下振れした。RBAの従来の予測も下回った。
このため、インベスティング・ドット・コムは、10日の利下げはないと見られるものの「成長鈍化を受けて、RBAは金利の見通しについてタカ派(金融引き締め)的なスタンスを和らげ、25年以降の段階的な金融緩和に向けて地ならしをするのではないか」と予想している。
変動金利型住宅ローン支払い額の負担が増えるなど、高い金利はオーストラリア生活者の家計を直撃している。しかし、RBAが金融政策を決める上で重視している基調インフレ率(極端な物価変動を除いた消費者物価指数)は、依然として物価目標の2〜3%を上回っている。しつこいインフレに対するRBAの警戒感は根強い。
このため、日本を除く主要国の中銀が金融緩和に傾斜しているにもかかわらず、RBAはインフレ再燃を恐れて利下げに慎重になっている。4大銀行のANZ銀とウェストパック銀のエコノミストは先に、利下げ開始時期の予測を当初の25年3月から同年5月に先延ばししている。
RBAは10日午後2時30分に政策金利に関する決定を発表し、ミシェル・ブロック総裁が同日午後3時30分から記者会見を行う。ブロック総裁がどのようなトーンで金融政策の展望を語るかが注目される。
■ソース
RBA preview December: rates to remain unchanged, hawkish tone to taper(Investing.com)