初期生産100台 将来の大量生産目指す
自動運転の電気自動車(EV)開発を手掛けるオーストラリアのベンチャー企業「アプライドEV」(メルボルン)はこのほど、日本製の車台をベースにした物流用の自動運転車「ブランク・ロボット」を発表した。初期生産台数は100台だが、将来の大量生産に道を開くとしている。
スズキ自動車のオフロード車「ジムニー」の車台部分を輸入し、運転席のない自動運転の運搬車両を製造する。人口知能(AI)を利用した独自のソフトウェアを実装し、完全自動運転を実現するという。平坦な車台の上に様々な荷台を架装することで、用途に応じたカスタマイズが可能だとしている。
なお、倉庫や工場など物流の現場での使用を想定していて、公道を走る一般向け自動運転車「ロボタクシー」とは異なる。ロボタクシーは米EV大手テスラや同IT大手グーグル傘下のウェイモなどが実用化を目指し、しのぎを削っている。
発表によると、人間が1日に2〜3交代で担う仕事をこなすことができるため、運転手不足を解消できるとともに、物流企業の生産性向上や温室効果ガス排出削減に貢献できるメリットがあるという。
アプライドEVのジュリアン・ブロードベント最高経営責任者(CEO)によると、専用の用途の自動運転車を一定の規模で生産するのは世界初。同CEOは声明で「物流企業の自動運転車に対する需要はかつてないほど高まっている」とした上で、将来的には「需要に合わせて数万台の生産を目指す」と強調した。
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