オーストラリアのスーパーから卵が消えた!

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昨年の鳥インフル流行に加え、フリーレンジ需要拡大で供給不足

 オーストラリアでは2024年半ば、南部ビクトリア州などで鳥インフルエンザの感染が拡大したが、これをきっかけに鶏卵の供給不足が今も続いている。スーパーマーケットでは、鶏卵の購入制限を再開する動きも出ている。

 10日午後の時点で、大手スーパー「コールズ」は1人の消費者が購入できる鶏卵の数を最大2パック(1パックは通常12個)に制限している。それでも、同社のショッピング・サイトでは、ほぼすべての鶏卵が売り切れとなっている。

 公共放送ABC(電子版)によると、鶏卵生産者からは「卵不足は今後、半年から1年は続くだろう」との声が出ている。生産者団体「エッグ・ファーマーズ・オーストラリア」は、鳥インフル感染拡大時の殺傷処分で鶏が減ったため、生産が完全に回復するまでには時間がかかると指摘している。

 加えて、動物福祉の観点から消費者の志向が変化していることも背景にあるという。需要がケージ飼いの卵(ケージド・エッグ)から、平飼い(バーン・レイド)や放し飼い(フリーレンジ)に急速にシフトしており、需給がひっ迫する要因になっている。

 同団体によると、ウールワースやコールズといった大手スーパーは、ケージ飼いの卵を減らし、平飼いや放し飼いの卵の取り扱いを増やしている。このため、供給が追いつかず、棚が空っぽになるケースが出てきている。

 供給不足を背景に鶏卵の小売価格も上昇している。ビクトリア州で放し飼いの鶏卵を生産しているボイド・カーモディーさんはABCに次のように述べた。

「以前はケージ飼いの卵が1ダース3豪ドル(約294円)で売られていたけど、最近では6〜7豪ドル以下の卵は見かけないよね。私たちの(放し飼いの)卵の店頭価格はだいたい1ダース12豪ドル。ケージ飼いと放し飼いの間に5豪ドルの価格差があっても、消費者はお金を払うんだよ」

■ソース

Egg shortages, supermarket limits continue as strong demand puts pressure on supply chains(ABC News)

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