昨年11月以来10カ月ぶり高値

公共放送ABC(電子版)によると、外国為替市場では8日午前11時30分ごろ、豪ドルの対円レートが1豪ドル=100円20銭と節目の100円を突破した。昨年11月以来約10カ月ぶりの高水準。直近の底値から過去6カ月間で13%上昇した。
円安豪ドル高が加速しているのは、4日行われた日本の自民党総裁選で高市早苗氏が勝利し、次期首相に選出されることが確実となったためだ。
高市氏は金融緩和と積極財政を主張してきた。故・安倍晋三元首相が主導した異次元の金融緩和政策「アベノミクス」路線を継承する可能性がある。
マネーは金利の低いところから高いところに流れる。高市新総裁の誕生を受けて、金融市場では日銀による利上げのペースが鈍化するとの思惑が広がり、円を売って豪ドルを買う動きが強まった。
円安は輸入物価を押し上げてインフレを加速させるなど日本経済にとってデメリットも大きいが、日本のインバウンド市場にとってはいっそうの追い風となる。オーストラリアからの訪日客はコロナ禍明け以降、右肩上がりで増加している。ABCは「いまあなた(オーストラリア人)が日本にいるなら、旅行資金の価値が上がるのは良いニュースだ」と指摘している。
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