アルバニージー首相、独立調査委員会の設置発表

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は8日、シドニー東郊ボンダイ・ビーチで昨年12月に発生した銃乱射テロ事件を受け、「反セム主義(反ユダヤ主義)と社会の結束」に関する独立した調査委員会(ロイヤル・コミッション)を設立すると発表した。元連邦最高裁判事のバージニア・ベル氏を委員長とし、今年12月14日までに報告書の提出を求める。
首相の発表によると、調査委員会は①反セム主義の実態と広がり、その背景にあるイデオロギーや過激化の要因、②法執行機関や国境管理当局、移民当局、警察などが反ユダヤ的行為に適切に対応するための助言や訓練の改善策、③ボンダイ・ビーチ事件の経緯と対応、④社会の結束強化や過激主義対策に関する追加勧告、4分野を中心に調査を進める。
公共放送ABCによると、事件では15人が犠牲となり、多数が負傷。国内で史上最悪のテロ事件となった。委員会の設置の背景には、事件が「反ユダヤ主義に基づく暴力」と認定されたことを受け、被害者遺族やユダヤ人社会などから独立調査を求める声が高まっていたことがある。
委員会は、オーストラリア社会での憎悪に基づく犯罪や差別の根本的な原因を明らかにするとともに、法執行・治安体制の改善や教育現場を含む社会全体での結束強化に向けた提言をまとめる。首相によると、各州・準州も調査に協力し、国家全体で課題に取り組む。
政府の発表に対し、被害者やユダヤ人社会、教育関係者などからは概ね歓迎の声が上がっている。一方、ABCの報道よると、設置のタイミングや委員長人事をめぐって一部に批判的な意見も出ているという。
■ソース
Establishment of Royal Commission on Antisemitism and Social Cohesion(ABC News)