「地域プレゼンス展開」の一環 中国けん制

オーストラリア連邦国防省は12日、海軍のアンザック級フリゲート艦「トゥウーンバ」がこのほど、南シナ海を航行したと発表した。航行中の写真も公開した。同艦は現在、インド太平洋地域での軍事的存在感を示す「地域プレゼンス展開」(RPD)に従事している。
航路の詳細は明らかにしていないが、国防省は「国際水域を航行した」と主張しており、中国が軍事基地を建設している人工島の12海里以内の「領海」には入っていない可能性がある。12海里以内に踏み込む米国主導の「航行の自由作戦」(FONOP)とは一線を画した格好だ。同盟国である米国とは連携しつつも、オーストラリア軍独自の存在感を示す狙いがあると見られる。
国防省は声明で、今回のフリゲート艦航行の目的について「オーストラリアの国益を守り、国際的なルールに基づく秩序を維持するとともに、地域のパートナー国や同盟国との協力関係を強化し、軍事能力と相互運用性を高めることで、長期的な安全保障と繁栄に重要な役割を果たしている」と述べた。
また、作戦本部長を務めるジャスティン・ジョーンズ海軍中将は「オーストラリア国防軍は、南シナ海地域で海上、空中、陸上において長年にわたり活動してきた。この海域は国際社会全体にとって極めて重要な水路だ。今回の定期的な展開は、地域の安全保障へのコミットメントと、平和で安定し、繁栄したインド太平洋の維持に対する我々の姿勢を示すものだ」と語った。
2020年前後に悪化した豪中関係は、22年に発足した労働党(中道左派)政権の下で雪解けが進んだ。中国は24年までに対豪経済制裁を解除した。しかし、アジア近海では中国軍機が作戦中の豪州軍機に妨害活動を行ったり、シドニー沖の公海上で実弾演習を実施したりするなど、軍事的な緊張は続いている。
具体的な国名を名指しすることは避けたが、今回のフリゲート艦航行に中国をけん制する狙いがあることは、明白と言えそうだ。
◼️ソース
Australia conducts routine transit through South China Sea(Department of Defence)