クイーンズランド州の釣り情報 第171回
キスのルアー・フィッシング
干潮になると陸地になり、満潮になると水没する内海や河口の干潟。掘るとアサリの仲間やゴカイの仲間、そしてカニなどの甲殻類が土中から豊富に出てくるこれらの場所は魚たちの格好の餌場となっています。
このような場所でスコップを使ってゴカイなどを掘っている人やヤビー・ポンプと呼ばれる水鉄砲のような形をしたポンプでヤビー(アナジャコの仲間)を土中から吸い出している人などをよく見掛けますが、彼らはシロギス釣りの餌を確保しています。
餌釣りの基本として、釣り場で魚たちが普段食べている餌を採って、それを針に付けて使うのが一番良く釣れる方法です。欠点は、新鮮でおいしい餌なのでフグや小型のキスやクロダイの子どもがこぞって食べに来るため餌の消耗がとても激しいことです。
ルアー・フィッシングは餌を使わないので手を汚さないし、針が大きいので小魚や子ども魚なども掛かってこないので格好いいし、と良いことずくめです。しかし、ルアーを襲ってくるような魚がそこにいなければルアーを投げては巻き取るという作業を繰り返すだけで、空虚な気持ちになります。
餌が豊富な場所には魚が集まってくるものです。上記の干潟はキスの格好の餌場になっているはずです。干潮時ではなく、水深30センチ以上の干潮前後にキスは餌を探し回っていると確信してルアー・フィッシングをしましょう。
浅い場所にいる餌となる小魚やエビなどは大きな魚に襲われると、陸地側のより水深が浅い場所や空中にジャンプして逃げようとします。普段、下を向きながら海底の土や砂の餌を探しているキスたちですが、水深が浅い場所では空中に逃げようとする餌も意識しています。
そのため、小型のトップウォーター・ルアーという水面をアクションさせるルアーで水面に逃げようとする餌のような動きをさせると大きなキスがヒットしてくるものです。
このコラムの著者
フィッシング・ライター:金園 泰秀
東京のIT関連会社のシドニー駐在中、オーストラリアの大自然に魅せられ役員職のサラリーマンから一転スピンアウトし、子供の頃からの趣味だった釣り
業界の世界に飛び込み、日本の釣り技術の紹介や当地の釣りを全世界に発信してきた。現在は趣味としての釣りやセーリングも楽しんでいる。