インターネットやスマートフォンが普及し、少し前に比べると情報が手に入りやすく、ずいぶん快適になったオーストラリアでの生活。とは言え、まだまだ言葉の壁や文化の違いから、何かと不便を感じたり、思わぬトラブルに出くわすこともあるだろう。そんな時に頼りになるのは、誰が書いたか分からないインターネットの情報よりも、やはり日本語の通じる専門家ではないだろうか。本特集では、日常生活のさまざまなシーンで困った時に頼れるスペシャリストたちを「医療」と「暮らし」の2つに分類して紹介。その時々に応じてサポートしてくれる専門家を見つけるきっかけになればうれしい。また、急な事態や思わぬトラブルに備えて、あらかじめ役立つサービスやサポートを調べておくことも大切だ。困った時にすぐに頼れるよう、ぜひ参考にして欲しい。
医療
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GP(General Practitioner)と呼ばれる一般開業医、歯科、心理カウンセラー、ナチュロパス(自然療法士)などのスペシャリストたちを紹介。本特集で紹介する医療機関は、日本人医師や日本人女性スタッフが在籍していたり、日本語が話せる医師・通訳がいる所ばかりなので、緊急時でも落ち着いて受診ができるはずだ。
ちなみに日本では内科や外科、眼科、耳鼻科、皮膚科など患者が自分の不調に応じて各専門医を訪れることが多いが、オーストラリアでは、まずGPを受診するのが一般的になっている。また、治療費も日本のようにある程度決まっているわけではなく、医療機関ごとに金額が異なるので注意が必要だ。事前にしっかりと予備知識を蓄えておこう。
暮らし
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弁護士や留学エージェント、不動産会社、家事代行業者、塗装業者といった悩みを解決してくれるスペシャリストや暮らしを豊かにするサービスを紹介。日本語で対応してくれるので、ビザの複雑な手続きや、海外生活での悩み、英語では理解が難しい不動産業界の専門的な知識といったことを心置きなく相談することができる。
また、すぐに必要としていなくても、日本語で対応してくれる専門業者がいることを覚えておけば、いざという時に頼りになる。最近は、オーストラリアでありながら日本と同等の高いクオリティーでサービスを提供する日本語対応の業者もどんどん増えているので、どんなサービスがあるのか常に調べておこう。
病院・歯科に行く前に知っておきたい!
医療保険制度と保険加入
オーストラリアの医療保険は、市民権保持者や永住権保持者を対象とした、公的医療制度であるメディケア(Medicare)と、それら以外の人の医療費や、メディケアがカバーしない範囲の治療や入院・手術費を補うための保険である民間医療保険に分かれる。 海外からの留学生に加入が義務付けられている留学生用健康保険(Overseas Student Health Cover/OSHC)は民間医療保険に含まれる。その他に、ワーキング・ホリデーや旅行などで一時的にオーストラリアに滞在する人が加入する海外旅行傷害保険などもある。
メディケア以外の補償内容は、保険会社やプランによって大きく異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切だ。また、給付金の申請に必要な書類も保険会社によって異なるため、病院や歯科に行く前に加入している保険について調べておこう。
在住者別保険加入例
加入者 | 利用出来る保険 | 内容その他 | |
---|---|---|---|
市民権・永住権保持者 | メディケア | 民間の 医療保険 | メディケアは、GPや専門医などの医療負担をカバー。加えて自分で保障内容を組み立てられる民間の医療保険に加入する人が大半。 |
永住権を持たない長期滞在者 | 民間の医療保険 | 保障内容は自分で組み立てられる。 | |
学生ビザを持つ留学生 | OSHC (留学生用健康保険) | 家族を連れての留学生にファミリー・サービスなどもある。 | |
短期間海外に一時滞在する日本人 | 海外旅行傷害保険 | 日本を出発前に加入することが必要。24時間日本語で応対してくれるサービスなどもある。保険会社によってサービス内容は異なる。 |
歯の保険、入っていますか?
歯科治療がメディケアや海外旅行傷害保険の適用外となるため、治療費が高額になってしまうオーストラリアでは、歯の治療をカバーする民間医療保険に加入しておくことが大切だ。その場合、注意しなければならないのは「Waiting Period」(ウェイティング・ピリオド=非適用期間)の存在だ。保険が有効になるのは保険加入日から数カ月となっているため、その前に歯科に行ったとしても治療費は保険で補償されないので、注意が必要だ。