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スーパー「コールズ」、決算好調も忍び寄るインフレの影

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グループ全体で売上2.0%増、最終利益4.3%増

シドニー北部にあるコールズの店舗(Photo: Taro Moriya)

 豪州在住者に馴染みの深い地場のスーパー大手「コールズ」、酒販店「リカーランド」などを運営するコールズ・グループ・リミテッド(本社メルボルン)は24日、2021/22年度(21年7月1日〜22年6月30日)の年次決算を発表した。グループ全体の売上高は393億6,900万豪ドルと前年度比で2.0%増、税引き後の最終利益は10億4,800万豪ドルと4.3%増となり、増収増益を記録した。

 部門別の売上高は、主力のスーパーマーケットが346億2,400万豪ドル(2.2%増)、「リカーランド」や「ビンテージ・セラーズ」などの酒販が36億1,300万豪ドル(2.5%増)、ガソリンスタンド併設のコンビニ「コールズ・エクスプレス」が11億3,200万豪ドル(5.0%減)だった。

トップはインフレ対策を強調

 直近の業績は好調だが、加速する物価高の影響は、消費者の財布に響き始めているという。決算を発表したスティーブン・ケイン最高経営責任者(CEO)は「約20%の消費者は(インフレを)つらいと感じているだろう。近四半期は(コロナ禍の反動で)取引数が著しく増加しているにもかかわらず、客単価は減少している」と述べた。

 世界的なエネルギーや食糧の高騰に加え、今年前半に東海岸を襲った洪水も、地元産の生鮮食料品の価格を押し上げた。

 ケインCEOは「2023年1月31日まで1,100品目以上の価格を据え置いた。さらに約500品目の値下げを開始した」と述べ、インフレ対策に努力している姿勢をアピールした。

決算発表後、株価は4.6%急落

 インフレは顧客の消費行動だけではなく、人件費や家賃、資本コストの増大など、小売業の利益を圧迫する要因ともなる。

 決算発表を受け、24日のシドニーの豪証券取引所(ASX)では、コールズ・グループ・リミテッドの株価が急落。前日終値比で4.6%低い1株17.84豪ドルで取引を終了した。

 同グループは22年6月末時点で全豪にスーパー835店、酒販店933店、コンビニの「エクスプレス」711店の合計2,479店舗を展開している。調査会社アイビスワールドによると、豪スーパー業界のコールズのシェア(22年)は27.9%。1位ウールワース(37.1%)とともに、業界を寡占する2強の一角を占める。

 なお、同グループの売上高を日本円(現時点の為替レートは1豪ドル=約94円)に換算すると約3兆7100億円。これに対して、日本の小売最大手セブン&アイ・ホールディングスの22年2月通期の売上高は約8兆7,497億円だ。市場規模や業態、算出方法などが異なるため単純に比較はできないが、コールズはセブンのざっと4割強を売り上げている計算になる。

■ソース

Coles Group Limited FY22 Results Release

Coles profits edge up, but inflation hurts both consumers and earnings growth(ABC News)

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