0.25ポイント引き上げ2.85%に
オーストラリアの中央銀行、豪準備銀(RBA)は1日、月次の理事会を開き、政策金利を0.25ポイント引き上げて2.85%とした。利上げは今年5月以降、7会合連続。収まる兆しが見えないインフレを抑え込むため、金融引き締めを継続する。
RBAは今年に入り、コロナ禍対策の金融緩和から、金融引き締めへと大きく舵を切った。2月に量的緩和を終了し、5月に実質ゼロ金利(0.10%)を解除して12年ぶりの利上げ(0.25ポイント)に踏み切った。
6月〜9月は4会合連続で、通常の「2倍速」となる0.5ポイントの利上げを実施。10月に続き11月も平時の0.25ポイントの利上げに戻した格好だ。
5月以降の利上げ幅は合計2.75ポイントに達した。これは5カ月間に2.0ポイント引き上げた1994年8月〜12月を上回り、現行制度下では前例のないペースとなっている。
インフレは「年内8%でピークアウト」
RBAが異例のスピードで金融引き締めのブレーキを踏み込んでいるのは、コロナ禍からの経済再開や世界的なサプライチェーンの目詰まり、ロシアによるウクライナ侵攻などの複数要因を背景に、物価上昇の勢いが止まらないからだ。
豪消費者物価指数(CPI)の上昇率は、前年同期比で3月期5.1%、6月期6.1%、9月7.3%と加速している。RBAが金融政策の目安としてより重視する、極端な物価変動を除く「トリム平均値」の上昇率も3月期3.7%、6月期4.9%、9月期6.1%とインフレ目標の「2〜3%」を突き抜けている。
RBAによると、物価上昇は今後数カ月間継続する見通しだ。RBAのフィリップ・ロウ総裁はこれまで「インフレは今年12月までに7.75%前後でピークを超える」と予測していたが、1日の声明で「今年末に8%前後でピークを超える」と小幅に修正した。
同総裁は今後しばらく利上げを継続するとの見通しを示した上で、「インフレ目標を達成するためにあらゆる手段を実施する決意だ」と述べ、利上げによってインフレを抑え込む姿勢を改めて強調した。
■ソース
Statement by Philip Lowe, Governor: Monetary Policy Decision(Reserve Bank of Australia)