ウクライナ戦争でオーストラリア人死者3人目
ウクライナで外国人義勇兵として戦闘に参加していたオーストラリア人、トレバー・キェルダルさんが先週、ウクライナ東部で戦死していたことが分かった。オーストラリア連邦外務貿易省が5日、死亡を確認した。地元メディアが報じている。
民放テレビ「9ニュース」によると、キェルダルさんはクイーンズランド州出身の40歳。公共放送ABC(電子版)によると、キェルダルさんはウクライナ東部ドンバス地域でロシア軍と交戦中、迫撃砲を受けて死亡した。
キェルダルさんとともに3カ月戦闘に参加した経験がある台湾出身の元義勇兵、トニー・ルーさんがABCに語ったところによると、ウクライナの呼びかけに応じて現地に飛んだ2人は首都キーウで1カ月間の訓練を受けた後、最前線に向かった。
ルーさんがオーストラリアに住んだ経験があったことと、キェルダルさんが中国語を話せたことから2人は意気投合。「ロシア軍の戦車隊から集中攻撃を受ける中で、トレバーがルーさんを塹壕に引きずり込み、ルーさんを銃弾の雨から救った」(ルーさんの通訳)こともあった。
ルーさんによると、キェルダルさんは日本の漫画のファンだったことから、他の兵士から「ニンジャ」のニックネームで呼ばれていたという。
一方、アンソニー・アルバニージー首相はキェルダルさんの家族に追悼の意を示した上で「外務貿易省はウクライナへの渡航中止を勧告している。危険な場所だ」と述べ、義勇兵として戦闘に参加しないよう国民に呼びかけた。
ロシアが2月にウクライナ侵攻を開始して以来、ウクライナで戦死したオーストラリア人は3人目。5月にはウクライナで人道支援活動に従事していたタスマニア州出身の男性、マイケル・オニールさんが死亡。8月24日にはウクライナ東部で衛生兵として働いていたクイーンズランド州出身のジェド・ウィリアム・ダナヘイさんが戦死している。
■ソース
‘Treasured and loved’ Australian man killed in fighting in Ukraine(9 NEWS)
Friend of Australian man killed in Ukraine says he died in Russian mortar attack(ABC News)