来年2月の次回会合でも追加利上げの観測
RBAのフィリップ・ロウ総裁は6日、金融政策に関する声明で、今年12月四半期にCPI上昇率は8%前後で峠を越えるとの従来からの予測を繰り返し示した。来年になれば、世界的な供給制約の解消や商品価格の下落、需要の縮小などにより、インフレは沈静化するとしている。
その上で、同総裁は「金融政策の効果が出るまでには時間差があり、利上げの影響はローンの返済にまだ完全に反映されていない。家計の支出は今後、減速すると予測されるが、その時期は不確実だ」と指摘。住宅ローン金利支払い額の増加など利上げの副作用により、個人消費が落ち込み、景気が鈍化するとの展望を示した。
その上で同総裁は「インフレの抑制と経済のソフトランディング(軟着陸)を同時に達成するのは、依然として狭い道筋となる」と述べ、物価抑制と景気の両立を差配するのは難しいとの認識を改めて示した。
金融政策を決めるRBAの理事会は1月、夏季休暇のため休会となる。新年1回目の会合は2月7日に開催される。
オーストラリアの著名エコノミストであるビル・エバンス氏(ウェストパック銀主席エコノミスト)は、RBAが2月の会合で0.25ポイントの追加利上げを行い、政策金利を3.35%にすると予測。今回の利上げ局面では、同金利は来年、3.85%でピークアウトするとの観測を示している。
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