笹川平和財団の講演で表明
日豪外務・防衛相会議(2プラス2)に出席するため訪日したオーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相は9日、笹川平和財団で講演を行い、米国と英国、オーストラリアの防衛枠組みである「オーカス」(AUKUS)へ日本が参加することに前向きな姿勢を示した。
国防相は「日本とオーストラリアは民主主義と開かれた経済、自由な社会へのコミットメントを共有し、ともに法の支配と規範に依存する貿易国家であり島国である」と述べ、両国の共通点に言及。シドニー大米国研究センターがこのほど実施した世論調査で、日豪の安保協力について「両国の回答者の60%以上が支持したことは驚くべき結果だった」と語り、世論が国防面で日豪の連携を容認しているとの認識を示した。
また、国防相はオーカスについて「来年初頭、私と(アルバニージー)首相は英国と米国とともに、オーカスの枠組みの下で通常兵力を装備した原子力潜水艦の開発に向けた行程を発表する。原子力潜水艦はオーストラリアの海軍力にとって不可欠であり、比類なき戦略的優位性を担保するものだ」と述べた。
さらに、国防相は「オーカスはオーストラリアが構築しようとしている軍事力と技術面のパートナーシップのより幅広いネットワークの一部であり、日本はその中心的な役割を果たしている」と指摘した。
その上で国防相は「私は日本との間で防衛産業の統合が加速することを望んでいる。それは、米国との3カ国の協力枠組みを通した2国間の取り組みであり、機が熟せば、オーカスを通した先進的な軍事力強化の枠組みによる協力を拡大したい」と言明した。
■ソース
Sasakawa Peace Foundation Speech, 9 Dec 2022, Defense Ministers