セシウム137含む超小型筒状カプセル
西オーストラリア(WA)州政府は1日、行方が分からなくなっていた放射性物質を含む超小型カプセルを発見したと発表した。
公共放送ABC(電子版)によると、連邦・州政府の合同捜索班が同日午前、同州北西部ニューマンの南方74キロ地点を時速70キロで幹線道路「グレート・ノーザン・ハイウェイ」を走行中、放射線計が高い線量を検出した。付近を探したところ、道路脇に落ちていたカプセルを見つけ、無事回収した。
カプセルは高さ8ミリ、直径6ミリの筒状で、10豪セントコインより小さい。英豪系資源大手リオ・ティントが操業するWA州北部ガダイダリ鉄鉱石鉱山からパース郊外の貯蔵施設まで、委託業者がトラックで輸送中、1月11〜16日の間に行方が分からなくなっていた。
リオ・ティントが30日に紛失の事実を公表。WA州消防・緊急サービス省とオーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)などで組織するチームが全長約1,400キロの輸送ルートを捜索していた。
カプセルが紛失した経緯や理由は、依然として明らかになっていない。リオ・ティントは政府の捜索費用を弁償すると表明している。
わずか1時間で年間線量を上回る
英紙「ガーディアン」豪州版(電子版)によると、カプセルには半減期約30年のセシウム137が積み込まれていた。カプセルは、物質の密度や流動性を調べる計測器に用いられ、鉱山や油田、ガス田などで幅広く利用されているという。
同様の機器はWA州だけで数千台使用されている。州の放射線委員会が1つひとつをデータベース化して管理しており、通常は安全が担保されているとされる。
報道によると、紛失したカプセルから半径1メートル以内では、レントゲンの約10倍の放射線量があるとされ、健康被害の可能性が指摘されていた。カプセルの1時間当たりの線量は1.655ミリシーベルトと、平均的なオーストラリア人の年間線量(1.5ミリシーベルト)を上回るという。
■ソース
Missing radioactive capsule found in WA outback after frantic search(ABC News)
What is the radioactive capsule missing in WA used for and how dangerous is it?(The Guardian Australia edition)