市場の予想通り インフレは頭打ち示唆
オーストラリアの中央銀行、豪準備銀(RBA)は7日、金融政策について決める月次の理事会を開き、政策金利(3.35%)を0.25ポイント引き上げて3.60%とした。
利上げは22年5月以降、10会合連続。累計の引き上げ幅は3.5ポイントに達した。0.25ポイントの利上げは市場の予測通りで、サプライズはなかった。3.60%は2012年5月以降で最も高い水準となった。
RBAのフィリップ・ロウ総裁は声明で「月次の消費者物価指数(CPI)はオーストラリアのインフレがピークを打ったことを示唆している」と指摘。「モノの物価は今後数カ月間で減速すると見られる一方、サービスの物価は高い水準を維持している。インフレ率が3%前後に戻るのは2025年中頃になる」との見通しを示した。
その上でロウ総裁は、「インフレ目標(2〜3%)への回帰と、高いインフレの期間が一時的なものであることを確実にするため、理事会は金融政策のさらなる引き締めが必要になると考えている」と述べ、今後も必要に応じて利上げを行う考えを示した。
ただ、先月までの声明に含まれていた文言「金利のさらなる引き上げ」を「金融政策のさらなる引き締め」に差し替えたことから、RBA理事会がよりハト派(金融引き締めに消極的)的な姿勢に転じたとの見方が出ている。
金融引き締めの縮小を期待する株式市場は、この声明の表現にポジティブに反応した。オーストラリア証券取引所の主要銘柄で構成する指数「S&P/ASX200」と「オールオーディナリーズ」はともに、利上げが発表された同日午後2時30分以降、上昇に転じた。午後3時の時点で、S&P/ASX200は前日終値比0.48%高、オールオーディナリーズは0.46%高の水準で推移している。