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2月のオーストラリア失業率3.5%に下落 力強い雇用情勢、利上げ圧力再燃

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新規雇用者数は約6万5,000人増

オーストラリアの失業率の推移(出典:オーストラリア統計局)

 雇用市場の力強さが確認されたことから、オーストラリアで利上げ観測が再び高まっている。16日発表された2月の雇用統計によると、失業率(季節調整済み)は3.5%と1月の3.7%から下落した。新規雇用者数が約6万5,000人増加した一方、失業者数は約1万7,000人減少した。

 オーストラリアの失業率は、コロナ禍の影響で2020年7月に7.5%まで上昇した後、経済再開や人手不足を背景に22年10月には3.4%と1974年以降の約48年間で最低の水準まで改善していた。その後、11月3.5%、12月3.5%、23年1月3.7%と小幅に上昇。雇用情勢は軟化しつつあると見られていたが、2月に再び改善した。

 ABSの雇用統計部門の責任者を務めるビョーン・ジャービス氏は声明で「1月は新しい仕事の開始を待つ人が平年より多かったが、その人たちの大半が2月に仕事を始めた」と指摘した。その傾向は、特にニュー・サウス・ウェールズ州、ビクトリア州、首都特別地域といった南東部で顕著だったという。

4月の金利据え置き観測はいったん後退

 調査会社「キャピタル・エコノミクス」によると、新規雇用者数は市場予測の4万8,500人を大幅に上回った。同社アナリストのマーセル・シーリアント氏は、中央銀行の豪準備銀(RBA)が4月4日の次回理事会で、11会合連続となる利上げに踏み切る可能性が高いとの見方を示した。

 同氏は顧客向けの短信記事で「(米銀破綻によって)世界の金融システムに緊張が高まっているにもかかわらず、2月の力強い雇用統計は4月のRBA会合における0.25ポイントの利上げを促すだろう」と指摘した。

 RBAは22年5月以降23年3月まで10会合連続で政策金利を引き上げ、3.60%としている。直近のデータで景気の先行きに減速感が出ていたことから、市場参加者の間では4月の会合では金利を据え置くとの観測が広がっていた。

■ソース
Unemployment rate returns to 3.5% in February, Media Release(Australian Bureau of Statistics)

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