金融引き締めはいよいよ最終局面に
私たちの大切なマネーに重大な影響を与える政策金利。オーストラリアの中央銀行、豪準備銀(RBA)は激しいインフレを抑えるために2022年5月以来10会合連続という、前例のないハイペースで利上げを続けてきた。しかし、4日に開く月例の理事会で大方の予測通り同金利を据え置けば、金融政策の大きな転換点となる。市場参加者の間では、RBAが明日、政策金利を据え置くとの観測が強まっている一方、大手銀2行のエコノミストは11会合連続となる利上げを予測しており、意見が割れている。
オーストラリア証券取引所(ASX)の金利先物価格から金利動向を予測する「RBA金利指標」(3月31日取引終了時点)によると、RBAが明日、政策金利を現行の3.60%で据え置く確率は100%。オーストラリアの4大銀行のうち、ウエストパック銀とコモンウェルス銀の2行も、据え置きを予測している。
ウェストパック銀は、RBAが4月にいったん据え置いた後、今年5月に今回の局面で最終となる利上げ(0.25ポイント)を行い、3.85%での打ち止めを予測。同金利は2025年5月までに2.35%まで引き下げられると見ている。コモンウェルス銀も、4月据え置き、5月に最後の利上げで打ち止め(3.85%)の後、24年5月までに2.85%まで利下げされるとの展望を示している。
一方、ANZ銀とナショナル・オーストラリア銀(NAB)によると、明日、11会合連続となる利上げ(0.25ポイント)があるという。
ANZ銀の見通しによると、RBAは4月と5月に0.25ポイントずつ引き上げて4.10%で打ち止めした後、24年11月までに3.85%まで引き下げそうだという。NABは、4月に最後の利上げ(0.25ポイント)を行って3.85%で打ち止めとし、24年4月までに3.10%まで引き下げるとのシナリオを描いている。
オーストラリアでは2月の消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比6.8%と2カ月連続で減速した。約30年ぶりの激しい物価高が続いていることに変わりはないものの、インフレはRBAの想定通り、22年12月頃にピークを打った可能性がある。このため、住宅ローン負担の増大や不動産市況の低迷などの副作用を生み出している中銀の利上げが、いつ、どの水準で打ち止めとなるかが注目されている。また、次の利下げサイクルのタイミングにも関心が集まっている。
■ソース
‘Big four’ banks split on what the RBA will decide tomorrow(ABC News)
How high will rates go? Here’s what experts think about the RBA cash rate(RateCity)