住宅価格の反転に強い期待感
オーストラリアの中央銀行・豪準備銀(RBA)が4月4日に政策金利を11会合ぶりに据え置いたことで、同国の消費者マインドが改善している。11日に発表された4月の「ウェストパック・メルボルン研究所消費者信頼感指数」は85.8と前月比で9.4%上昇した。
ウェストパック銀のビル・エバンス主席エコノミストは「指数が力強く回復したのは、RBAが4月にこれまで10会合連続で実施してきた利上げを停止したことが主な要因だ」と分析した。
指数は2022年6月以降で最も高い水準まで改善した。それでも、RBAによる今回の利上げサイクルが始まる直前の22年4月と比較すると、依然として11.7%低い水準にある。
エバンス氏は「4月の指数は改善したものの、消費者マインドは依然として弱いと認識している。これまでの私たちの予想通り、個人消費は今年から24年前半まで活気に欠ける状況が続くだろう」と指摘した。
住宅ローン返済者に限れば、指数の前月比上昇率は12.2%と全体を大幅に上回り、利上げの打ち止めへの期待感がうかがえる。ただ、「今後1年間に金利が1%以上上昇する」と予測した回答者の割合は前月の44.55%から34.11%に下落したものの、依然として高い水準を維持している。
一方、「住宅価格上昇への期待感」に関する指標は130.3と前月比で16.6%上昇した。最も低かった22年11月から43%上昇し、前年同月と比べて2.8%低い水準まで回復した。利上げの収束が近づいているとの観測から、低迷してきた住宅市況が反転するのではないかとの読みがうかがえる。
同指数は、景気の先行きを占う上で重要な主な民間指標の1つ。4大銀行の1つウェストパック銀と、メルボルン大学の応用経済・社会調査研究所(メルボルン研究所)が毎月、無作為に抽出した消費者に実施するアンケート調査を元にまとめている。今回の調査は4月3〜6日、全豪の成人1,200人を対象に実施した。