今年12月にリセッション開始?
豪準備銀(RBA)は4日の会合で政策金利を据え置いたものの、これまでの急激な利上げはオーストラリアの国民生活に副作用をもたらしている。折からのインフレによる生活コストの高騰に加え、利上げで金利変動型住宅ローンの返済額が増えるなど、家計の財布を直撃。住宅ローン債務者の割合はオーストラリアの全世帯のおよそ3分の1を占めるとされるため、利上げによる消費や景気へのインパクトは大きい。
消費者マインド調査や金融機関のクレジット・カード決済のデータなどによると、既に消費は冷え込みつつある。経済成長をけん引する個人消費の落ち込みは景気にブレーキをかける。RBAの予測によると22年10〜12月に前年同期比2.7%だった実質国内総生産(GDP)成長率は、23年4〜6月期に1.75%、10〜12月に1.25%まで落ち込む見通しだ。
このため、エコノミストの間では、オーストラリア経済が今後、リセッション(景気後退=2四半期連続のマイナス成長)に陥るとの観測も浮上している。
オーストラリアの独立系非営利メディア「カンバセーション」が、国内の主要エコノミスト27人に景気予測を尋ねたアンケート結果(7月2日公開)によると、今後2年以内にオーストラリアがリセッション入りする確率は平均38%、リセッションが始まる時期の平均は23年12月だった。
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