英品評会で2年連続「最優秀賞」のフォー・ピラーズ
キリンホールディングス(HD)傘下のオーストラリア酒造大手「ライオン」(本社シドニー)は4日、南部ビクトリア(VIC)州の蒸留酒メーカー「フォー・ピラーズ」の株式を100%取得したと発表した。プレミアム商品に力を入れるライオンは2019年からフォー・ピラーズ株の50%を所有していたが、残りの全株式を買い取って完全子会社化した。
フォー・ピラーズは2013年、ワイン産地として有名なVIC州ヤラ・バレーで創業。英国で開かれる酒類の品評会「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション」で19年と20年に2年連続で「最優秀ジン蒸留所」に選出されるなど、オーストラリアを代表するクラフトジンの蒸留所として知られる。
フォー・ピラーズの共同創業者2人は経営陣として残り、ライオンの蒸溜酒部門として事業拡大を図る。ライオンのサム・フィッシャー最高経営責任者(CEO)は「私たちのコア事業であるビール部門への継続的な投資とともに、プレミアム蒸留酒は将来の成長に向けた重要なチャンスになると見ている」と述べた。
キリンは1998年、オーストラリアのビール大手2強の一角を占めるライオン・ネイサン(現ライオン)に資本参加。2009年には同社株を100%取得して完全子会社化した。ライオンは、東部ニューサウスウェールズ州の代表的なビール「トゥーヒーズ・ニュー」や北東部クイーンズランド州の「フォーエックス」などを製造。近年は需要が高まっているクラフトビールの醸造所のM&A(合併・買収)に力を入れており、フォー・ピラーズの子会社化により高級蒸留酒の市場でも存在感を強める。
■ソース
Four Pillars And Lion Announce Landmark Deal, News & Media(Lion)