据え置きか最後の利上げか 8月中銀理事会の判断はいかに?
オーストラリアでは26日に公表された4〜6月期の消費者物価指数(CPI)上昇率が6.0%と予想を下回ったことに加え、28日発表の6月の小売売上高も落ち込み、景気のクールダウンが顕在化してきた。
中央銀行の豪準備銀(RBA)が8月1日に開く次回理事会では、政策金利(現行4.1%)を据え置くか、0.25ポイント引き上げて4.35%とするのかが焦点となるが、エアコンの温度を下げすぎると風邪をひくのは経済も同じ。昨年5月からの1年2カ月で累計4.0ポイントに達した急激な利上げは、まもなく最終局面を迎えそうだ。
投資顧問会社IFMインベスターズのアレックス・ジョイナー首席エコノミストはツイッターで「(小売売上高の数字は)値引きの影響や全体の取引量が弱かったこともあるが、それでもはやり豪準備銀(RBA=中央銀行)が利上げを停止する理由になる」と述べ、据え置きを予想した。
また、公共放送ABC(電子版)によると、IG証券のトニー・シカモア市場アナリストも「今日の数字(小売売上高)は、高い金利が確実に個人消費に影響を与えていることを示している」と語り、据え置きを予測した。
一方、ウェストパック銀のビル・エバンス主席エコノミストは「RBAは8月の会合で政策金利を0.25ポイント引き上げることで(インフレ再燃に)保険を掛けるのではないか」とした上で、これが最後の利上げとなり、その後は引き締め緩和のスタンスを採るとの見方を示した。
コモンウェルス銀のベリンダ・アラン上級エコノミストも、8月の利上げが最後になると見ている。その後、年内は金利を据え置き、早ければ来年2月にも最初の利下げがあり得るとの展望を描いている。
なお、オーストラリア証券取引所(ASX)の金利先物指標(27日取引終了時点)によると、RBAが8月に政策金利を据え置く確率は90%、4.35%に引き上げる確率は10%となっている。
■ソース
Less spending on mid-year sales sees retail turnover fall, Media Release(Australian Bureau of Statistics)
Is the RBA likely to leave rates on hold next week?(ABC News)
RBA Rate Tracker(Australian Stock Exchange)