1豪ドル=64米セント付近まで落ち込む
オーストラリアの公共放送ABC(電子版)によると、外国為替市場では豪ドルが対米ドルで下落し続けている。22日午前の時点で1豪ドル=64米セントと、豪ドルは米ドルに対して年初から約9%下落した。
オーストラリア4大銀行の1つ、コモンウェルス銀のクリスティーナ・クリフトン氏はABCに対し「豪ドルは直近のピークだった7月中旬から米ドルに対して4.5米セント下落した。短期的には、60米セントを割り込むリスクも想定している」と話した。
豪ドル安は米国から旅行中の観光客にとっては朗報だが、海外を訪問するオーストラリア人は財布の紐を引き締める必要に迫られる。一方、海外に商品を輸出している業者にとっては追い風となるが、輸入している会社にとっては値上げ圧力となり、落ち着いてきたインフレを再燃させかねない。
エコノミストによると、豪ドルが対米ドルで下落している要因の1つとしては、オーストラリアの最大の輸出先である中国で、不動産バブルの崩壊や消費・生産の縮小、若年層の失業率上昇などを背景に、経済成長が減速していることがある。中国の景気が冷え込めば、鉄鉱石や石炭など資源の対中輸出が多いオーストラリアにとっては大打撃となる。
ただ、クリフトン氏によると「中国政府の景気刺激策がインフラ投資を刺激すれば、豪ドルの下落トレンドは反転するかもしれない」という。
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