365平方キロの狭いエリアに人口220万人 甚大な被害の恐れ
緊迫するパレスチナ情勢をめぐり、オーストラリア政府は地域に滞在する自国民の安全確保を最優先に進めるとともに、地上戦の危機が迫るガザ地区から民間人の退避を可能にする「人道回廊」の設置をエジプト政府に働きかけている。
ガザ地区を実効支配するイスラム武装勢力ハマスは7日、イスラエルにロケット弾数千発を発射して先制攻撃を仕掛けた。越境した戦闘員が音楽フェスや民家などを襲い、多数の民間人を殺害、誘拐するなどのテロ攻撃を行った。これに対し、イスラエル軍はガザ地区に激しい空爆を加えるなど報復。公共放送ABC(電子版)によると、これまでにイスラエル側に1,300人以上、ガザ地区側に1,400人の犠牲者が出ている。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は11日、挙国一致の「戦時内閣」を発足させた。30万人以上の予備役を招集しており、ハマス掃討のため、近くガザ地区への地上作戦を開始するとの観測が強まっている。
報道によると、既にイスラエルはガザ地区への食糧やエネルギーの供給を止める「兵糧攻め」を実施している。イスラエル地上軍の本格的な侵攻が始まれば、人口密集地での激しい市街戦が予想される。
ガザ地区には東京23区の約6割、365平方キロの狭いエリアに約220万人が居住しているとされる。国際社会がすべての難民を受け入れることは現実的ではなく、地上戦が始まれば甚大な被害が出る恐れがある
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