赤字187億円 老朽化やコスト増で操業停止
米国のアルミニウム製造大手、アルコア(本社米ペンシルベニア州ピッツバーグ)は9日、西オーストラリア州パース南方クウィナナにあるアルミ精製工場の操業を年内に停止すると発表した。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
アルコアは西オーストラリア州で60年以上操業してきた。クウィナナ工場はアルコアが同州内で操業している3つの工場の1つ。アルコアが同州南西部の鉱山で採掘するボーキサイトを原料にアルミを製造している。ABCによると、クウィナナ工場だけで2023年に1億3,000万米ドル(187億円)の損失を計上していた。
同社は今年7-9月期に同工場の社員を800人から250人に減らして操業を停止し、25年にはさらに50人まで削減する。別に雇っている250人の契約従業員を含めると約1,050人が影響を受けると見られている。設備の老朽化や運営コスト、市場の現況を考慮して閉鎖を決めたとしている。
クウィナナにある積み出し港と同州内の他の2つの精製工場については操業を続ける。影響を受ける従業員については社内での再配置も検討する。同社がオーストラリア国内で雇用している4,850人のうち、西オーストラリア州は約4,300人と大半を占める。
発表を受けて、西オーストラリア州のロジャー・クック州首相は「アルコアは従業員の再雇用に最大限の努力をするべきだ」と述べた。
■ソース
Alcoa Kwinana alumina refinery phased shutdown announced with around 1,000 job losses(ABC News)