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ぜいたくは敵!? 財布の紐引き締めるオーストラリアの消費者

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必ずしも生活に必要ない支出はほぼ横ばい

ぜいたく品・サービス(左)と生活必需品・サービス(中央)、全体(右)の家計支出の過去6カ月間の推移(出典:オーストラリア統計局)

 オーストラリアではインフレや利上げによる生活コスト高騰を背景に、国内総生産(GDP)の約半分を占める個人消費が引き続き落ち込んでいる。オーストラリア統計局(ABS)が7日発表した統計によると、4月の家計支出(カレンダー要因を調整した名目値=2019年1月を100とした指数ベース)は前年同月比で3.4%増加した。

 しかし、内訳(グラフ)を見ると、インフレの高止まりを背景に、ガソリンや食品などの非裁量的支出(生活必需品・サービス)が同5.8%と大幅に伸びた一方で、裁量的支出(ぜいたく品・サービス)は0.6%の微増にとどまった。過去半年間、こうした傾向に大きな変化はない。

 生活防衛のために、消費者は財布の紐を引き締めているようだ。ABSのビジネス統計部門のロバート・ユーイング氏は「生活にどうしても必要なもの以外への家計支出が、引き続き抑えられている」と指摘した。

 また、物価上昇の主体が、賃金上昇の影響でモノからサービスにシフトしていることもうかがえる。家計のサービスへの支出は6.9%増加した一方で、モノへの支出は0.7%減少した。

 1年前と比べて著しく支出が増加した項目としては、健康関連(15.7%増)、託児やプロのサービス、個人ケアなどを含む「その他のモノとサービス」(12.9%増)など、サービス業主体の分野が目立った。

 モノの物価は需給に応じて自然に上下するが、サービス物価には一度上昇するとなかなか下落しない「下方硬直性」がある。このため、「サービス・インフレ」が高まれば、粘着力の高い物価上昇が止まらなくなるリスクがあり、注視する必要がある。

■ソース

Household spending on health up 15.7% in the past year, Media Release(ABS)





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