BEVの勢いは頭打ち
オーストラリアの新車市場では、エンジンとモーターを併用したハイブリッド車の販売が絶好調な一方、電気だけで走るバッテリー電気自動車(BEV)の勢いは頭打ち傾向にある。
オーストラリアの連邦自動車工業会(FCAI)は3日、会計年度末となった6月の新車販売台数は11万9,659台だったと発表した。前年同月比で4.2%減少した。このうちハイブリッド車(充電可能なプラグイン・ハイブリッド車も含む)のシェアは14.4%と前年同月の7.8%から2倍近く伸びた。一方、BEVは台数こそ5万219台と16%増えたものの、シェアは8.8%から8.0%に低下した。
温室効果ガス削減の流れを受けて、BEVは近年、中国や欧州を中心に世界でシェアを伸ばしてきたが、ここにきて市場によっては息切れ感が出てきている。豪州でも、充電の手間や時間、航続距離などの不便さが意識され、ガソリンも使えて燃費も高いハイブリッド車の良さが見直されている格好だ。
BEVで出遅れたものの、ハイブリッド技術に強みを持つ日本勢にとっては追い風と言える。ただ、こうしたハイブリッド優勢の傾向が今後も続くかどうかは不透明だ。
6月のメーカー別販売台数は、1位トヨタ(2万903台)、2位米フォード(9,493台)、3位マツダ(9,483台)、韓国・起亜自動車(8,225台)、三菱自動車(7,723台)の順に多かった。
なお、今年上期(1〜6月)の新車販売台数は63万2,412台と前年の同じ時期と比べて8.7%増え、2018年の最高記録を更新した。好調な販売が続けば、年間でも過去最高となる可能性がある。
■ソース
Strong new vehicle sales for the first half of 2024(Federal Chamber of Automotive Industries)