コロナ禍の業務拡大戦略が裏目に
オーストラリアのピザ・チェーン最大手で、日本や欧州など12カ国・地域に進出している「ドミノ・ピザ・エンタープライゼス」(本社クイーンズランド州ブリスベン)は17日、日本市場で80店を閉鎖すると発表した。売上の少ない不採算店をリストラして態勢を立て直す。
同社はコロナ禍で宅配需要が高まった2020年度から23年度にかけて、日本で403店舗を新たに出店し、店舗数を一気に67%増やした。現時点で日本の総店舗数は1,017店とオーストラリア国内の750店を上回り、同社が進出している国・地域では最多となっている。
しかし、広告宣伝費などコストが上昇する一方で、経済再開後の「消費の変化」を背景に業績が悪化したという。つまり、行動制限がなくなり消費者が自由に外食するようになると、ピザの出前を注文する需要が減ったというわけだ。4月以降、日本市場の戦略を見直した結果、不振店舗の整理を決めた。ただ、儲けが見込める好立地については、20店舗以上の新規出店を目指すとしている。
また、479店舗を運営しているフランスでも、経営改善策の一環として20〜30店を閉鎖する。10店を新たに出店するため、正味の削減店舗数は10〜20店となる見通しだ。
■ソース
Business update and FY25 outlook, ASX Announcement(Domino’s Pizza Enterprises Ltd)