トランプ氏暗殺未遂事件
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は14日、米国のドナルド・トランプ前大統領への暗殺未遂を非難した。公共放送ABC（電子版）によると、アルバニージー首相は会見で「オーストラリアと米国が共有する民主主義の価値と、両国が尊重する自由に対する許しがたい攻撃だ」と語った。自由と民主主義は豪米同盟の根幹だとの考えも示した。
その上で首相は、オーストラリア国内の政治的動機に基づく暴力についても言及した。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻をめぐり議員事務所への攻撃が相次ぎ、首相自身の地元事務所も閉鎖を強いられていることを念頭に、「度を超えた行為は非難されるべきだ」と主張した。
最大野党・保守連合（自由党、国民党）のピーター・ダットン代表（自由党党首）も政治的暴力は許されないと指摘し、トランプ氏の早期回復を願った。
元首相のケビン・ラッド駐米大使も声明で「私たちの民主主義に暴力が入り込む余地はない。トランプ（前）大統領が安全だったことに安堵している。私たちの心はトランプ氏と家族とともにある」と述べた。
公共放送ABC（電子版）によると、トランプ氏は現地時間の13日、米東部ペンシルベニア州で演説中に狙撃され、銃弾が右耳を貫通した。米国で大統領または大統領経験者が銃撃を受けたのは、1981年のドナルド・レーガン大統領暗殺未遂事件以来43年ぶりとされる。
トランプ氏は病院で手当てを受けたが、その後にニュージャージー州の空港で専用機から降り立つ映像が公開されており軽傷と見られる。米連邦捜査局（FBI）によると、トランプ氏を銃撃したのはフィラデルフィアに住むトーマス・マシュー・クルックス容疑者（20）。同容疑者は事件直後に射殺された。演説会の聴衆1人が死亡したほか、2人が重体と報じられている。
■ソース
VIDEO: Anthony Albanese condemns attack on Donald Trump（ABC News）
