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中国がオーストラリア国籍の作家に下した「執行猶予付き死刑判決」とは?

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「公正、公平で人道的な対応を」とウォン外相

オーストラリアのペニー・ウォン外相

 中国当局にスパイ容疑で拘束されていた中国系オーストラリア人の作家で反体制活動家のヤン・ヘンジュン氏が5日、中国の裁判所で「執行猶予付き死刑判決」を言い渡されたことについて、オーストラリアのペニー・ウォン外相は中国政府を非難する声明を発表した。

 ウォン外相は「ヤン氏を支援してきた人々や家族にとって痛ましいニュースだ。私たちの心は彼らとともにある」と述べた。その上で外相は「オーストラリア政府は最大限に強い言葉で意思を伝達する」と外交ルートを通じて中国に抗議する考えを表明した。

 また、外相は「私たちは、国際的な基準と中国の法律に則って、公正と公平な裁判、ヤン氏に対する人道的な対応を求めてきた」と今後もヤン氏の開放を要求していく方針を示した。外相は「すべてのオーストラリア国民は、ヤン氏が家族と再びいっしょになることを望んでいる。私たちはヤン氏への支援を和らげない」と強調した。

 ヤン氏は1965年中国生まれ。中国国家安全省に勤務した後、オーストラリアに移住して市民権を取得したとされる。2019年1月に米国から中国に一時帰国したところ、身柄を拘束された。裁判は21年5月に結審していた。

 執行猶予付き死刑判決とは、判決後2年間に再度罪を犯さなければ、通常、無期懲役に減刑される中国の死刑制度。いずれにせよ、現状ではヤン氏は残りの人生を監獄で過ごすことになる。

 一方、同じく中国にスパイ容疑で拘束されていた中国系オーストラリア人で、中国のテレビでキャスターを務めていたチェン・レイ氏は昨年10月、刑期を満了してオーストラリアに帰国している。

■ソース

Sentencing of Dr Yang Jun(Minister for Foreign Affairs, Senator the Hon Penny Wong)





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