バレンタインの夜、公邸のバルコニーでプロポーズ
還暦を迎えて、一生の伴侶に出会えた−−。オーストラリア連邦のアンソニー・アルバニージー首相(60=労働党党首)は15日、パートナーのジョディー・ヘイドンさん(45)との婚約を発表した。アルバニージー氏は自身のフェイスブック・ページで、ヘイドンさんとの自撮り写真とともに「彼女はイエスと言った」(She said yes♥)と投稿。首相のプロポーズをヘイドンさんが受け入れたことを明らかにした。
現地メディアによると、2人はバレンタインデーの14日夜、首都キャンベラにあるイタリア料理店でコース料理のディナーを堪能した。料金は1人135豪ドル(約1万3,200円)と報じられている。オーストラリアの高級レストランでは、食事代と同等のワインを注文するのが通例とされるため、支払い額はチップも含めて合計5〜6万円に達した可能性もありそうだ。
食事の後、2人は首相公邸「ザ・ロッジ」に戻り、バルコニーでアルバニージー氏がヘイドンさんに結婚を申し込んだという。自分で特別にデザインした婚約指輪を手渡したとされる。同氏が16日にラジオ番組で述べたところによると、挙式の時期や場所は決まっていない。
30年連れ添った前妻に振られ消沈
アルバニージー氏は2000年、前妻のカーメル・テバットさんと結婚した。テバットさんも政治家で、ニューサウスウェールズ州副首相を務めたことがある(現在は引退)。息子1人を授かり、交際期間も含めると30年以上連れ添った。
しかし、野党党首時代の19年にテバットさんの方から別れを切り出され、別居を経て離婚。23年5月のラジオ番組では、「カーメルが自分自身で行きていくことを選択したのは、私にとって衝撃だった」と当時の心境を打ち明けている。
その後は、悲しみのどん底から這い上がり、出世階段を駆け上った。3年後の22年5月、連邦選挙で9年ぶりとなる政権奪回を果たし、31代連邦首相に就任していた。
豪首相在任中の結婚は史上初
ビジネスパーソンのヘイドンさんとは、別居から1年後の20年、メルボルンで開かれた晩餐会で出会い、21年から交際をスタートさせた。カジュアルな恋人関係ではなく、シリアスな事実婚状態にあった。
22年の選挙勝利後にもヘイドンさんとともに登壇し、首相公邸で「同棲」した。23年のチャールズ英国王の戴冠式にも2人で参列している。
年間約9万組のカップルが結婚し、約6万組が離婚(21年)するオーストラリア。離婚は日常茶飯事だが、離婚経験者が首相に就いたのはアルバニージー氏が初めて。首相が在任中に結婚するのも史上初だという。
婚約発表について、アルバニージー氏に近い同僚のペニー・ウォン外相はX(旧ツイッター)に「愛は美しいものよ。あなたたち2人に祝福するわ」と投稿。普段は議会で激しく対立している野党保守連合のピーター・ダットン代表(自由党党首)もラジオ番組で「2人の幸せを願う。2人の特別な関係が成功することを祈る」とエールを送った。
■ソース
Anthony Albanese(Facebook page)
Prime Minister Anthony Albanese engaged to partner Jodie Haydon(ABC News)