洪水で身動き取れず、救助要請も多数
オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州のシドニーから北東海岸にかけての広い地域で19日、激しい雷を伴う豪雨があった。公共放送ABC(電子版)は、シドニーで4人が落雷で重傷を負い、3カ所の家屋で火災が発生したと報じた。洪水で動けなくなった車などから多数の救出要請が出ているほか、同日夜の時点で、1万戸以上で停電が続いている。
ABCによると、シドニー市内中心部の王立植物園では午後1時過ぎ、10代の男性1人、20代の女性1人、30代の男女2人が樹木の下で雷の直撃を受け、一時的に意識を失った。4人は現場に駆け付けた救急隊の処置を受けた後、市内の病院に緊急搬送された。4人は重傷だが、命に別状はないという。
また、シドニー北西郊外のボーカム・ヒルズ、東郊ブロンテ、南郊シルバニアの3カ所では、落雷による家屋の火災が発生した。ボーカム・ヒルズでは戸建て住宅の屋根と2階部分が激しく損傷し、シルバニアではガスの本管に引火するなどの被害が出たが、3軒とも消防隊が消し止め、犠牲者は出なかった。
シドニーでは降りはじめから午後5時までの雨量が57ミリに達した。ニューサウスウェールズ州北東部のコフス・ハーバーでは1時間で57ミリの激しい雨量を観測した。
日本の消防・救急に相当するニューサウスウェールズ州緊急サービス(SES)には、シドニーやハンター地区などを中心に300件以上の救助要請があった。洪水で走行中の車の身動きが取れなくなるなど、これまでに洪水由来の救助が7件、事故が42件発生しているという。
空の便にも影響が出ている。シドニー空港会社は、フライトの遅延や欠航、目的地の変更などについて、それぞれの航空会社に確認するよう利用者に呼びかけている。
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