労働党政権下で再エネ導入など強化
オーストラリア連邦政府のクリス・ボウエン気候変動・エネルギー相はこのほど、同国の温室効果ガス排出量がパリ協定基準年の2005年と比べて25.4%削減されたと発表した。30年の同43%削減目標に向け、引き続き石炭など化石燃料の縮小と再エネ導入の拡大などを推進する。
政府が2月29日に公表した2023年7-9月期の温室効果ガス排出量統計を元に明らかにした。これによると、同四半期までの1年間の排出量は二酸化炭素換算で459メガトン(Mt CO2-e)となり、前年同期比で0.5%(2.2 Mt CO2-e)減少した。
再生可能エネルギーの拡大を背景に発電由来の排出量が4.9%減、石炭生産や天然ガスなどの漏洩由来が2.3%減となった。一方、電力を除くエネルギー由来が0.7%、農業由来が2.5%、交通由来が4.5%それぞれ増加した。
22年の労働党政権交代以降、政府は温室効果ガスの積極的削減に舵を切った。石炭など化石燃料による火力発電を段階的に停止するなどして、◇再エネ由来の発電量を30年に82%(現状32%=22年時点)まで高めること、◇排出量を30年に05年比43%削減することなど、前保守政権より高い目標を掲げた。50年の排出量実質ゼロの長期目標も初めて法律に明記した。
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