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ティックトックBAN、現時点で「計画ない」とオーストラリア首相

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安保懸念で米下院が禁止法案可決

 中国共産党政権への情報漏えいなど安全保障上の懸念から、米議会下院が中国発の短編動画投稿アプリ「ティックトック」(Tik Tok)の禁止を視野に入れた法案を可決したことを受け、米国と同盟関係にあるオーストラリアでも議論が高まっている。中道左派・労働党のアンソニー・アルバニージー首相は現時点では追従しない方針だが、野党保守連合は米国と足並みを揃えて禁止するべきだと主張している。

 米下院は20日(現地時間)、中国の親会社バイトダンスが180日以内にティックトックの米国内事業を売却しない場合、アプリ配信や利用を禁じる法案を可決した。今後は上院での審議に移るが、バイデン大統領は法案成立に賛成と報じられている。

 オーストラリア連邦政府は昨年4月、省庁が職員に提供するパソコン、スマートフォン、タブレットなどでティックトックを使用することを禁じ、州政府にも禁止の動きが広がった。しかし、一般市民の使用は規制していない。

 オーストラリアの現地メディアによると、米国が禁止も視野に規制強化に踏み込んだことについて、アルバニージー首相は21日、政府機関での使用禁止以上の規制は現時点で「計画はない」と表明した。その上で首相は「とても慎重に進める必要がある。安全保障上の懸念に対しては常に注意する必要があるが、多くの人が意思疎通の手段として(ティックトックを)使っていることも考慮しなくてはならない」と指摘。諜報機関などの安全保障上の助言によって、オーストラリア政府が独自に判断するとの考えを示した。

 これに対し、最大野党・自由党のピーター・ダットン党首(保守連合代表)は「首相はこうした状況で弱みを見せる必要はない。オンラインでオーストラリアの子どもたちの安全を守るには、首相が力強いリーダーシップを発揮することが必要だ」と述べ、禁止を訴えた。

 オーストラリアと中国の外交関係は、コロナ感染が拡大した2020年、一気に冷え込んだ。スコット・モリソン前首相が新型コロナの発生源をめぐる独立した調査を要求したことに対し、中国は激しく反発した。事実上の経済制裁として、一部のオーストラリア産品の輸入を禁止または規制した。しかし、22年の労働党政権発足以降、中国は制裁を徐々に緩和。12日には、中国がオーストラリア産ワインにかけていた高関税を近く撤廃する見通しだと報じられている。

 4年間続く対オーストラリア制裁が収束しつつあるタイミングで、アルバジーニー首相としてはティックトック問題で中国を刺激したくないところ。ただ、中国への気遣いは「弱腰」と世論から反発を招きかねず、難しい舵取りを迫られている。

■ソース

Anthony Albanese reveals Australia’s plans on TikTok after US vote(news.com.au)





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