年内利下げへの地ならしか?
中央銀行の豪準備銀(RBA)は18〜19日の2日間、金融政策を決める理事会を開き、政策金利を4.35%で維持すると発表した。3会合連続の据え置きは市場の予測通り。
RBA理事会は声明で「インフレが妥当な時期に目標圏内(2〜3%)に回復するまでの道のりは依然として不透明であり、理事会はいずれの方向性も排除しない」と述べ、引き締めも緩和もあり得るとの見方を示した。従来の「さらなる利上げは排除しない」と比べてより中立的な姿勢で、今後の利下げに向けた地ならしとも受け取れる表現となった。
RBAは激しいインフレを抑制するため、2022年5月から23年11月までの18会合のうち13会合で利上げを行い、利上げ幅は累計4.25ポイントに達していた。ただ、消費者物価指数(CPI)の上昇率(四半期)は22年10-12月期に7.8%でピークアウトし、23年10-12月期には4.1%まで下落している。
インフレの沈静化を背景に、市場では利上げ打ち止めは確実と見られている。米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和開始が近いと見られることもあり、関心は利下げの時期と回数に移っている。
ロイター通信によると、エコノミストからは「RBAは8月に1回目、11月に2回目の利下げをそれぞれ0.25ポイントずつ行い、政策金利は年末までに3.85%まで引き下げるだろう」(IG証券アナリストのトニー・シカモア氏)との観測が出ている。
■ソース
Statement by the Reserve Bank Board: Monetary Policy Decision(Reserve Bank of Australia)
Australia’s central bank holds rates as expected, waters down tightening bias(Reuters)