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雇用の改善がどうして「悪いニュース」なの? 2月のオーストラリア失業率、3.7%に急落

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就業者数は11万6,500人増加

 オーストラリア統計局(ABS)は21日、2月の雇用統計を発表した。これによると、就業者数が前月比で11万6,500人(季節調整済み)増えた一方で、失業者数が5万2,000人減少した結果、失業率は3.7%と1月から0.4ポイント急落した。

 ロイター通信によると、就業者数の増加幅は、市場予想の4万人増を大幅に上回り、コロナ禍の混乱期を除けば過去10年で最大を記録した。

 コロナ禍収束後の人手不足などを背景に、失業率は2022年後半から23年前半にかけて3%台の歴史的低水準で推移していた。その後、インフレや利上げを背景とした景気の減速に伴い、じわじわと上昇。1月には4.1%と2年ぶりの高水準を記録していた。ところが、2月は一転して約半年前の低水準に戻った。

 ABSは、夏の休暇シーズン後に新しい仕事を始めた人が例年より多かったことから、就業者数の急増につながったと分析している。

 労働市場の需給ひっ迫が確認されたことを受けて、早期利下げの機運は削がれた格好だ。雇用情勢の改善は労働者にとっては朗報だが、これまでの利上げで住宅ローンの負担増など生活コスト高騰に苦しむ家計にとっては、利下げが遠のくことは決して良いニュースとは言えない。

 ロイターによると、オーストラリアの金融大手AMPのシェーン・オリバー首席エコノミストは「(雇用統計の)数字は乱高下しており、豪準備銀(中央銀行=RBA)は落ち着くまで様子見の姿勢に傾き、数カ月間のデータを見てから(金融緩和の是非を)決断するのではないか」と述べている。

 RBA理事会は19日、現行4.35%の政策金利を3会合連続で据え置いた。次回会合は5月6〜7日に開く。現時点のエコノミストの予測では、RBAは今年後半に利下げを開始するとのシナリオが有力視されている。

■ソース

Unemployment rate falls to 3.7% as more people start work(Australian Bureau of Statistics)

Australian jobless rate dives in Feb as employment resurgent(Reuters)





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