8月利下げ確率は68%―市場予測
オーストラリア統計局(ABS)が27日に発表した2月の月次消費者物価指数(CPI)指標は前年同月比で3.4%上昇した。22年12月に8.4%でピークを打った後、低下傾向が続いていたが、2月は23年12月、1月と3カ月連続で同じだった。市場予測の3.5%(ロイター通信)は下回った。
日本のコアCPIに近い「価格変動の激しい品目(果物、野菜、自動車燃料)と休暇旅行費を除くCPI」は3.9%となり、23年12月4.2%、1月4.1%から減速した。
住居費(4.6%上昇)、食品・アルコールを除く飲料(3.6%上昇)、アルコール・タバコ(6.1%上昇)、保険・金融サービス(8.4%上昇)などの価格が上がった。一方、休暇旅行費・宿泊費は1.3%下落した。
ABS物価統計部門のトップを務めるミシェル・マーカート氏は声明で「(米シンガーの)テイラー・スウィフトさんのライブ公演による影響で、シドニーとメルボルンのホテル料金は値上がりした。しかし、1月の学校休暇の繁忙期が終わり、2月のそのほかの地域の宿泊費や航空券代は下落した」と指摘した。
スウィフトさんは2月、メルボルンで3日連続、シドニーで4日連続の公演を行い、連日ソールドアウトとなった。ロイターによると、エコノミストからはスウィフトさんのツアーが2月のインフレを押し上げる要因になるとの見方も出ていたが、マクロ経済への影響は限定的だったようだ。
オーストラリアではインフレが落ち着いてきたことを受けて、中央銀行の豪準備銀(RBA)が今年後半、利下げに踏み切るとの観測がいよいよ強まっている。ロイターによると、市場予測では8月の利下げは68%、9月の利下げは100%織り込まれている。
■ソース
Australia survives sold out Taylor Swift shows without spike in inflation(Reuters)