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景気減速で中国のワイン需要自体が低迷 オーストラリア産への高関税は撤廃されたけれど…

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ワイン輸入量は全体で5年前の3分の1に

オーストラリア東部の名産地ハンター・バレー産のワイン(Photo: Destination NSW)

 中国政府は29日、オーストラリア産ワインに課していた最大220%の関税を撤廃し、事実上の貿易制裁を解除した。制裁前に中国が最大の顧客だったオーストラリアのワイン生産者にとっては追い風となる。ただ、中国では景気減速を背景に輸入ワインの需要自体が低迷していて、オーストラリア産の輸出がすぐに制裁前の水準に戻る可能性は低そうだ。

 研究開発・販促機関「ワイン・オーストラリア」によると、高関税が課される前の2020年10月までの1年間、対中輸出額は約13億豪ドル(約1,280億円)、輸出量は1億2,100万リットルとピークに達していた。しかし、23年12月までの1年間には輸出額1,010万豪ドル、輸出量140万リットルと激減。中国へワインを輸出する国内の業者数は2,198から117まで減少していた。

 ワイン・オーストラリアのマーティン・コール代表は「中国本土は引き続きオーストラリアのワイン業界にとって重要な輸出先だ」と指摘した上で「中国本土のワイン市場の現況は、20年末の状況と異なる」と語り、生産者が中国市場への再参入を図る場合は、同機関から最新のデータを入手し、慎重に検討するよう呼びかけた。

 ワイン・オーストラリアによると、23年の中国のワイン輸入量は全体で2億4,800万リットル。18年(6億8,800万リットル)の3分の1の水準まで縮小している。中国の経済成長が鈍化し、消費が減退していることがその背景にあるという。

■ソース

Wine Australia welcomes the removal of the duties on Australian wine to mainland China, Media Release(Wine Australia)





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